東京のように地方から進学や出稼ぎなどで移住してきた人たちが多い地域では永代供養が重要とされています。上京して生活が落ち着くと地方へ戻るのが難しくなるという問題が存在します。漁師の息子ならば青森に戻って家業を継ぐ方法もありますが、田舎から出てきた人たちの実家が何らかの家業を持っているとは限りません。マグロ漁師やリンゴ農家など確かな家業がない場合には、地元に戻らず都会に住み続けるのが一般的です。

東京は人口が多いため様々な職業が必要とされており、田舎よりも遥かに暮らしやすい環境が整っています。青森や鳥取、宮崎など日本各地から東京に移住した人たちには田舎の不動産や墓地の相続を放棄する傾向が見られます。田舎の不動産を所有していても売ることができず固定資産税や修繕費などのコストがかかります。行政は市場価値のない不動産からも容赦なく全員を徴収するので注意が必要です。

草が生えたり木が倒れて周辺住民との間でトラブルになる可能性も存在します。墓地も管理者がいなければ荒れ果てた状態になり無縁仏となってしまいます。先祖の遺骨を大事にしたいと考えるものの、帰省して墓地を管理するのが困難なケースが少なくありません。いずれ田舎の不動産や墓地を相続して困るのが分かっているのならば、早期に対策を講じることが大切です。

東京には永代供養を行ってくれる施設が数多く存在するので、電話やメールなどで問い合わせるとよいでしょう。墓地を訪れて見学すれば実際に永代供養が行われている様子を確かめることができます。田舎に戻るのが難しい多くの人々にとって管理団体が永代供養を行う施設が重要な存在となっています。